リチャードソンジリスの飼い方と大々的なタイトルとしていますが、ざっくりとです。
その1ではリチャードソンジリスの紹介と飼う際の費用面に関して取り上げています。

「げっ歯目」に分類される、生涯歯が伸び続ける特徴を持ちます。見た目はプレーリードッグに近く、地中に巣穴を掘って生活しています。これら地中(地上)に巣穴を掘って生活しているリスの総称を「ジリス」と呼びます。
漢字にすると「地栗鼠」でしょうか。。。
カナダ・アメリカを生息地としており、見た目とは裏腹に現地では害獣扱いも。なかなか悲しい過去を持っているので興味のある方は調べてみては?
リチャードソンジリスが現在多く流通していますが、最近ではジュウサンセンジリスも人気が出てきていますね。
ちなみに名前のリチャードソンの由来は発見者のリチャードソンさんから取ったようです。そのまんまですね笑
体長は約20センチ~30センチ、体重は120g~800gと季節や個体、性別によって大きく変化します。
リチャードソンジリスの生態
概要
リスの名がついているので樹上で飛び回る姿を想像しますが、樹の上で生活をしているわけではなく、地上・地中に巣穴を掘って生活範囲としています。
そのため、身体的特徴として土の入りにくい小さな耳、穴を掘るのに適した長く鋭い爪が生えています。
繁殖は野生化では春にシーズンとなり、平均3~4週間の妊娠期間を経て平均6~8匹の出産をします。春がシーズンとなってはいますが、飼育環境下では年に何度も発情期を迎える子も珍しくないようです。
※亡きおはぎは半年に一度は発情期が来て、2か月弱ほど発情している状態でした(苦笑)。発情していないほうが珍しい子でしたね。
体毛は茶褐色で、腹部はそれを薄くしたような色になっています。経験上子供のうちは茶褐色よりも黒味がかった色をしていますが、冬にむけて換毛期となれば黒味が薄くなり、より栗色に近い茶褐色となります。
また、ジリス種は冬眠も行います。彼らにとっての適温は18~24℃
とされており、冬場などそれを大きく下回った時は冬眠を始めようとします。冬眠はそのまま目を覚まさないリスクが伴うため、飼育環境下では冬眠をしないよう適温を保つ工夫が必要です。
※おはぎもペット用ヒーターやエアコンを掛けていてもあえて寒くなる位置で寝ていたようで、そのまま仮冬眠していることが多々ありました。そんな時に対処した方法は別途記事にしようと思います。
活動時間は昼間、昼行性です。リビングなど夜間に明るい場所などで飼育する場合は工夫が必要です。ですが、我が家の子たちは人が活動していると起きていたり、寝静まっている時に回し車で駆けずり回っていたりと、ある程度の順応性はあるようです。それが生体にとって良いことかはなんとも言えませんが。。。
食事
主に草食です。野生化では主にイネ科の植物を食べているようで、ヒマワリの種などの種子類はほとんど口にしていないようです。ここで"主に"としているのは、植物についていたり、巣穴を掘る際に見つけた昆虫類も少なからず食しているからです。
飼育環境下ではイネ科の植物と言われてもピンと来ないかもしれませんが、最近ではウサギ用として売られているチモシー(もしくは牧草と表記)がそれにあたります。それだけでは栄養価に偏りが生じるため、プレーリードッグ用、もしくはリチャードソンジリス用(店頭ではほぼ見かけない)の総合栄養食ペレット、通称"カリカリ"を与えます。
もちろん野菜、果物も嗜好性が高く喜んで食べます。が、意外と与えてはいけないものも多く、知識のない方が手当たり次第に野菜果物を与えるのは大変危険なので控えましょう。
また、野生下のように昆虫類を与える場合はミルワームを。なんだか毎日イライラしているなぁ、といった場合は動物性たんぱく質が不足しているから、という見方があるそうです(某ショップ店員談)。
我が家ではこむぎが人に対しての噛み癖が酷かったのですが、乾燥ミルワームをおやつに少量与え出してからは随分よくなりました。
後日、与えてはいけない野菜や果物、与えている食事などをまとめようと思います。
リチャードソンジリスのかじり癖
リチャードソンジリスはげっ歯類のため、一生歯が伸び続けます。その歯を削る意味もあり、なんでも齧ります。歯ごたえを感じた無機質な物を見つければとにかく齧ります(笑)それでいてなかなかの破壊力を持っているので、壁や壁紙、プラスチック類はボロボロにされます。これはもう本能的なものなので、それを怒るのではなく、齧られないようにする方法を考えましょう。
それでも不思議なのは、回し車はプラスチック製なのにその部分はかじっている様子を見ないところです(我が家の子たちだけかもしれませんが)。これは無くなったら困るもの、とでも認識しているのでしょうか、興味深い。
におい
基本的には少ない動物です。"基本的に"というのは、性別・時期・飼育環境によって変化するためです。
特にオスの発情期は独特な匂いを全身から出します。個体差もある程度ありますが、青臭いようななんとも言えない香りです(笑)。この匂いが苦手な人もいれば特に気にならない人もいるようで、不安であれば10月などに売れ残ってしまっている発情期に突入しているオスの匂いを嗅いでみてください。発情期か否かの見分け方は匂いと、後ろから見た時にタマがでっぷりと見えていれば発情期です。
トイレは覚える?
トイレのしつけができるかと言うと個体によるところが大きいでしょう。
ただし、リチャードソンジリスの習性として基本的にトイレは1か所にします。
その習性を利用して、して欲しい場所に排泄物を移動してあげればうまくいけばそこでするようになります。
我が家の場合トイレに関してはオス2匹がなかなかどうして自由なため、部屋の散歩中にうんちをしながら駆けずり回ったり、うんちをあちこちにばら撒く行為が目立ったため、ケージ内ならどこでもどうぞスタイルになりました。
寿命
野生下ではオスは1年ほど、メスは3年~もう少し長生きとされています。
これはオスは新天地や メスを求めて移動をするのに対し、メスはあまり巣穴付近から動かないためのようです。
飼育環境下では個体差や環境にも大きく左右されますが、5~10年生きる子も珍しくないようです。
で、結局のところリチャードソンジリスは懐く?
正直に言えば個体差(性格)で大きく左右するのでなんとも言えません(笑)
ベタ慣れする子もたくさんいます。ですが、ベタ慣れさせてやる!ではなく、あわよくばベタ慣れしてくれたらいいなぁ、ぐらいの淡い期待に留めておいた方がいいでしょう。
小動物ですので外敵が多く存在します。基本的には被捕食者ですので、人間のように大きな生き物は当然のように最初は警戒します。ですが、ベタ慣れとまでいかなくても環境や飼育者に慣れてくれることがほとんどです。
また、発情期によっても気性が左右されることがあります。生理的な現象なので、受け入れる広い心と最低限の知識が必要でしょう。
価格
生体価格と取り扱い店舗
生体価格は3万~4万円ほどが主流のようです。オスよりもメスの方が少し高い傾向にあります。主にペットショップで取り扱われていますが、最近(2020年現在)ではホームセンターでも見かけるようになりました。
ペットショップと言えども犬猫メインに取り扱う店舗ではなかなかお目にかかれません。"エキゾチックアニマル"を取り扱う店舗ならば見つかりやすいでしょう。
また、上記のように繁殖期は春です。店頭に並ぶのも主に5月半ば~となっています。時期によっては店頭に並んでいなかったり、既に大きくなっている場合があります。大きくなっていてはいけないわけではありませんが、ベタ慣れをさせたいのであればなるべく小さいうちから慣れさせた方が確率は上がります。
是非飼いたい!といった時は事前に取り扱い店舗を確認し、入荷時期なども確認した方がいいです。私の近所のショップでは入荷日に半数ほどのベビーたちが売約済となるほど年々人気が増えています。
もちろんショップ選びから個体の選び方もポイントがあるので、それは別記事にて後日記載しますね。
これはマメ知識なのですが、そもそもはプレーリードッグの代替(酷い言い様)的な扱いだったようです。2003年から感染症法によるプレーリードッグの輸入禁止措置を経て、リチャードソンジリスの人気が後押しされました。それに伴い価格も当時の約10倍です。もちろんプレーリードッグも輸入が禁止となったのみですので、国内ブリーダーの手によって未だ流通はしています。当時よりはかなり入手困難となってはいますが。。。また、姿形が似ていたとしてもリチャードソンジリスとプレーリードッグは異なる生き物です。リチャードソンジリスを飼う場合はプレーリードッグの代わりではなく、リチャードソンジリスを飼うための知識や心構えを用意しましょう。
初期費用
上記生体費用とは別に、飼育するにあたって最低限必要なものを記載します。
ケージ
ピンキリです。市販のケージに自作のケージ、オーダーメイドケージと存在しますが、ここにほとんどの予算を費やすと思ってください。
ですが想像してください、可愛い我が子が住む家です。生涯のほとんどをそこで過ごすことになるのです。
お財布へのダメージはほんの少し目を瞑りましょう(笑)
市販品では約3千円~3万円ほど。
こちらの記事も参考にしてください。
餌
上記食事の項でも記述したように、最低限チモシー(牧草)とペレットを用意してあげてください。チモシーはドライ(乾燥)と生の状態がありますが、ドライのもので問題ありません。ペレットはプレーリードッグ、もしくはリチャードソンジリス用であることが望ましいですが、入手手段が困難な場合もあります。
その場合はウサギ用ペレットでも妥協できますが、いくつか注意点があります。
・ペレットのみの内容であること
ドライ人参や、パイナップルなど、嗜好性の高いものが同封されているものは主食には適していません。おやつとは分けて考えましょう。
・主原料が牧草であること
犬猫用の餌とは大きく異なるので、基本的なことですが気を付けましょう。
・表示がなされているもの
原材料や品質表示、賞味期限などが確認できるものを選びましょう。栄養価も確認できるとなお良いです。
細かいことになってしまいますが、
【粗たんぱく質12%、粗脂肪2%、粗繊維質20~25%】を目安にどうぞ。
前置きが長くなりましたが、
ドライチモシー1kg 約500円~1500円
ペレット 500円~2000円
巣箱

お迎えしたての時は是非入れてあげてください。警戒している状態なのに身を潜める場所がないというのはかなりのストレスになります。
もちろんそのまま寝床として使ってくれる場合もありますが、我が家ではこれまでの3匹とも巣箱を破壊し、無警戒にオープンハウス状態で眠るようになりました。こうなる可能性も高いですが、それもお迎えして慣れてきてからの話なので、やはり最初は用意してあげた方が無難でしょう。
磁器製、木製、プラスチック製と様々ですが、壊される前提で木製でいいでしょう。
隠れられるように巣箱型にしておけば問題ないかと思います。
3000円も予算としておけば色々な種類の中から選べるかと。
その他備品
ケージ内レイアウトによっては不要なものもあります。
・床材
我が家では小動物用のヒノキが原料のトイレ砂をケージ内全体に敷いています。
トイレはほとんど決まった場所でする習性があるので、ここでしてくれ!ではなく、お好きにどうぞスタイルです。少々厚みが出るように多めに敷いているので、どの子も掘って潜って遊んでいるところをよく見かけます。
ペットシーツや新聞紙を敷くということも聞いてはいたのですが、ペットシーツの吸水ポリマーや、新聞紙のインクを誤飲した際にどんな影響が出るか不安だったため私は避けました。
ヒノキのトイレ砂1kg 約800円
・トイレ
上記のように我が家ではトイレフリースタイルのため設置していませんが、陶器製、樹脂製などがあります。いわゆる"しつけ"ができる動物ではないので期待したところに用を足してくれないリスクもあります。
ウサギやフェレット用のトイレを選択すれば問題ないでしょう。
約1000円
・給水器
基本的には給水ボトルを使用します。金網に引っ掛けるタイプや、天井から吊るタイプなど、いくつか種類があります。ケージによって取り付けられるタイプが異なるのでよく確認しましょう。選ぶポイントは洗いやすいか、脱着は容易か、などなど。
すごい特大な給水ボトルもありますが、ハムスターを対象としているものよりも大きなサイズを選ぶといいでしょう。ウサギ用としているものを目安とすればいいかもしれません。
予算は2000円もあれば納得のいくものが見つかると思います。
・餌入れ
主にペレット入れとして使用します。おすすめは磁器製のものです。リチャードソンジリスが食べやすい高さとある程度の重量があるものがいいでしょう。100円均一のもので十分です。
また、上記給水器の使い方を理解するまでに時間の掛かる子もいます。その際は生の野菜などで水分量を補ってあげるか、水を入れられるような器を餌入れと一緒に用意してあげるといいでしょう。
100円~
・回し車やその他遊具
回し車は是非入れてあげてください。某ショップにて「回し車はなくても飼えますよ~」と他のお客さんに説明していた店員に我が家での回し車での暴れっぷりを見せてあげたいぐらいです(苦笑)
選び方のポイントはいくつかあるので別記事にて紹介しますね。
他にも齧り木や木製トンネルなど様々です。齧れるものは必ず何か用意してあげましょう。
最近では主な原料がチモシーでできたチモシーキューブというものもあります。これはチモシーを圧縮して固くキューブ状にしたもので、齧るも良し、食べるも良しという優れものです。
似たような商品が多くありますが、それらは原料がチモシーではなく、アルファルファというマメ科の植物である場合がほとんどなので注意です。アルファルファは与えても問題はないのですが、チモシーに比べてカロリーが高く、肥満に繋がりやすいので与えすぎには注意しましょう。
回し車は約3000円~
その他かじり木類は1000円ほどでしょうか。
ランニングコスト
・餌代
ペレットは約2か月に1度ほど、チモシーは1週間~2週間で1袋ほどのペースで購入しています。
生体ごとに嗜好も異なるため、チモシーの消費量が多量な子もいれば少量の子もいます。それでもチモシーは巣材として利用する場合が多いため、掃除の度に処分したりと消費量は想像しているよりも多いと思った方がいいでしょう。
ペレット 月々約250~
チモシー 月々約1500円~
・床材
基本は汚れた部分を清掃継ぎ足し、半月~1か月に一度は全換します。
ケージのサイズ、使用する床材やそもそも使用するかどうかで大きく変動します。 我が家では月に10L入り(798円)を2袋消費しています。
床材 月々約1500円
・電気代
夏場や冬場はエアコンが必須状態となります。暑さにも弱く、寒さにも冬眠のリスクが伴います。人間が快適に過ごせる温度がリチャードソンジリスにとっても適温です。たとえ人がいない時間帯でもエアコンは掛けっぱなしになると覚悟しておいた方がいいでしょう。
こちらも部屋の広さや季節によって変動しますが、月数千円程度は見積もっておいた方が無難です。
また、こちらもケージによりけりなのですが、冬場はペット用のヒーターをエアコンと併用しています。夏場以上に冬場は電気代が掛かることを覚悟しましょう。
電気代 月々数千円~
・その他諸経費
こちらは必ずしも毎月掛かるものではありませんが、遊具・おやつ類・通院費などです。
かじり木や回し車などの遊具や、おやつ類はそこまでの負担とはなりませんが、病気になった時など動物病院に連れて行くと想定以上の金額になることが多々あります。
今ではエキゾチックアニマル用のペット保険も見かけるようになりましたが、私自身加入していません。
参考までに、過去におはぎが風邪で通院した際の通院費は
初診代金+抗生物質1週間分で5千円ほどでした。
これが手術ともなると数万円~10万円を超えることも珍しくないようです。
価格まとめ
初期費用
生体代金込みで予算としては10万円は見ておいた方がいいでしょう。ケージの種類や、それに伴って変化するケージ内レイアウトで大きく変化します。
かなり大雑把な数字のように思えますが、安く見積もって痛い目にあうよりは余裕を持って構えていた方がいいでしょう。もちろんこの数字よりも安く済む場合もあれば、さらに上回ることも多々あります。
ランニングコスト
電気代+3千円は見ておきましょう。通院治療費などは加算していないので、最低ラインだと思っていただいた方がいいですね。
おやつや遊具など、リチャードソンジリスを溺愛するほどにコストが掛かる傾向にあるようです(笑)
飼い方 その1 まとめ
こちらのページではリチャードソンジリスの紹介と価格面に関して記述させていただきました。
正直ここまで文字数が増えるとは想像していませんでしたが、それでもこの項に関して伝えきれていないことがたくさんあります。
この点に関しては後日別記事にてフォローしていこうと思います。
少しでも参考になれたら幸いです。
それではおしゃまんべでした。