知識 飼い方

リチャードソンジリスの慣らし(懐かせ)方

今回はリチャードソンジリスの慣らし(懐かせ)方についてです。

慣らすことでリチャードソンジリスも人への警戒心・恐怖心が薄れ、日々のストレスが緩和されます。飼い主としても健康状態のチェックなどがしやすくなるなど、双方にとってメリットとなります。

リチャードソンジリスが懐くかどうかは個体差はさることながら、"お迎え前のショップなどでの扱われ方~お迎え後"で左右されます。

要因としては個体差が最も大きいかと思いますが、ここでは「お迎え後」の懐きやすくさせる接し方を解説していきます。

注意点として、必ずしもこの方法で全てのリチャードソンジリスが慣れてくれるとは限りません。その点ご了承願います。

 

懐かせ方

 

わかりやすく懐かせる、と書いていますが、リチャードソンジリスは犬猫のように懐かせるのはかなり至難の技です。

個体差が大きいため、必ずしも"べた慣れ"するとは限りません。

ただし、"べた慣れ"をさせたいのであれば必ず慣れさせる段階が必要になってきます。

まず目標設定としては

「飼育環境に慣れてもらう→人の手に慣れてもらう→抱っこができるようになる」

としましょう。

懐かせやすくする方法としては、ベビーのうちから飼育を始めることがより効果的ですが、ここではあらゆる年齢の子を対象とした解説となっています。

  

  

飼育環境に慣れてもらおう

 

まずは飼育環境に慣れてもらいましょう。

そのためにもお迎え前にはケージはもちろん、ケージ内レイアウトも出来上がっている状態にしておきましょう。

環境に慣れてもらうポイントは簡単に言えば"知らんぷり"です。

お迎え直後はケージ内に入れる時を最後に、触らないようにしましょう。

お迎え直後は具体的に何日とは明確にはありませんが、3日~1週間ほどでしょうか。3日では少々早すぎるかと思いますので最低ラインです。

ただし、当然ながらお世話はしてあげます。

 

お世話方法

 

ケージ内の掃除や餌やりは行いますが、極力静かにゆっくりとした動作で手短に行います。

最初は警戒されてケージの隅でびくついているかもしれませんが、気にせず淡々と行いましょう。

掃除に関してはトイレ・排泄物・食べ残しをメインにし、寝床などは手を付けないようにしましょう。

トイレ・排泄物もあまりにも綺麗にしてしまうのも問題です。

ある程度は自分の匂いがするものが残っている状態がいいでしょう。

綺麗すぎるのは彼らにとって毎回環境が大きく変化しているように感じ、ストレスに繋がります。

この時に排泄物の状態や、食べ残しの量などで健康状態を確認しましょう。

 

人が関わる時間を最小限に留め、リチャードソンジリスが自分の環境がどのような状態か落ち着いて確認する期間だと思ってください。

日々のお世話をしている中で、人の手に興味を持って近づいてくるような素振りが見え出したら次の段階です。

他にも環境に慣れてきたかな?と思わせる仕草は多々あります。

寝相が大胆になってきたり、ケージ外の動くものを立ち上がって見つめていたりなどなど。

お迎え直後にはあまり見せなかった仕草をするようでしたら慣れ始めた、と思ってもいいでしょう。

 

人の日常生活

 

見出しの意味がわかりづらいかもしれませんが、お迎え直後の期間に人の生活スタイルを変える必要があるかどうかです。

これは個人的な経験談ですが、ほとんど変える必要はない、です。

掃除機の音や人の話し声、ドアの開閉音など、どれをとってもリチャードソンジリスにとっては未知のものです。最初は怖がりますが、それでも慣れてしまうようです。

普段通り、あるいは少し気を配って音量を下げる、程度に留めていいかと思います。

我が家では当初掃除機をかけ出せばケージの隅に駆け出してうずくまっていましたが、今では掃除機を掛けようがお構いなしに爆睡です。

初日から掃除機はいささかやりすぎ感も否めないので、他に手段があればそちらを採用された方がいいかと思いますが、基本的には普段通り・少しだけ配慮する、でいいかと思います。

 

人の手に慣れてもらおう

 

あえて段階的に設定していますが、環境に慣れてもらいつつ少しずつ手にも慣れてもらうようにしましょう。

手や人もリチャードソンジリスの周りを取り巻く環境の一部と思われるようにするといいでしょう。

 

まずは手渡しで

 

前段階で手の存在は認識しているかと思いますが、まずは彼らの好物や餌を手渡しできるようにしましょう。

この際、必ずケージの中で与えるようにしましょう。

金網ケージの場合、つい金網の隙間から与えてしまいたくなりますが、金網=美味しいものがでてくる場所と認識されると金網を噛む癖がついてしまいます。

金網を噛むようになると歯の疾患、ひいては健康悪化に繋がりますので避けましょう。

 

少しの時間でもいいので毎日挑戦しましょう。

次第に手や指を怖くないもの、と認識されるでしょう。

明確な期間はありません。個体差によって慣れるまでの期間は様々なので根気よく続けましょう。

ポイントは、手のひらを見せるような状態で餌を与えるか、指先につまみながら与えること。かつ、名前を呼んだり、声を掛けながらやるといいでしょう。

突然眼前に手が現れた!という状況を作らないためと、声を掛けるということで手が来るぞ!ごはんを持って手が来るぞ!という認識になります。

また、手はリチャードソンジリスの目線よりも低いか、同程度の高さで動かしましょう。

彼らよりも高い位置から覆うような形で手を近づけるのは怖がらせる一方なので、手に慣れるまでは徹底して守りましょう。

 

噛みついてくるときは

 

また、個体によっては手を敵対視して噛みついてくる場合もあります。

その際は無理に構わず、そっと引きましょう。

一度噛まれたからといって過剰に身構えず、どんと構えて接してあげてください。わかりやすい例が「風の谷のナウシカ」でキツネリスに噛まれながらもなだめるナウシカの如く接しましょう(笑)

経験上、噛む意味合いが数種類あるような気もしています。

甘噛みの場合は経験が少なく、食べ物なのかどうかを確認している。あるいは、スキンシップの一部。

痛みを感じるほど強く噛んでくるときは敵対視している、単純にイライラしている、体の具合が悪くイライラしている、発情期などです。

特に唸るような鳴き声を伴っている時は怒りを意味するため、すぐに手を引き、なぜ怒っているのかをしっかりと見定めましょう。

場合によっては疾患によるものなのかもしれないため、いつもと違った様子はないか、排泄物は通常通りか、などよく確認しましょう。

 

毛づくろい

 

例外として、前歯を小刻みに擦り付けて"毛づくろい"をしてくれることもあります。初めてされた場合はガッツポーズものですが、油断して爪先の方も毛づくろいを許していると強く噛まれることがあります。

特に小さなうちに多く、ささくれや爪のような無機質を思わせるものに対しては除去しようとでもするのでしょうか、注意が必要です。

この時は怒るのではなく、痛い!と言うことを日々繰り返せば次第に少なくなります。

恐らく言葉の意味が分かっているわけではないものの、ここを噛むと突発的にびっくりするような音が飛んでくる、とでも学習するのでしょう。恐らくですよ?

 

抱っこをしてみよう

 

今回の最終目標となる抱っこです。

抱っこをされて落ち着いてくれるところまでが目標となります。

抱っこができるメリットとしては、ケージからの出し入れが容易になる、病院などの診察が容易になる、健康チェックなどがしやすくなる、など大いにあります。

ここに至るまでは個体差でどれほど時間が掛かるかはわかりません。

 

参考として、我が家の子たちは

・おはぎ 家に迎えて約1か月(生後7ケ月ほど)

・こむぎ 家に迎えて約1か月(生後3か月ほど)

・もなか 家に迎えて約4か月経つも抱っこに至らず(生後10か月ほど)

となっています。

おはぎは格別におっとりな性格だったこともありすんなりでした。

こむぎはベビー状態から飼育をしたせいか早い段階で人慣れ。

もなかに関しては生後10か月現在、手のひらを見せれば自分から飛び乗ってくるも、抱っこ、いわば捕まる(拘束される・自由のきかない状態)のは嫌なようです。もうひと押し。

 

まずは触ってみよう

 

餌や好物などを与える際に抵抗なく近寄ってくるようになったら体を触ることから始めましょう。

手全体をつかうのではなく、指を1本、あるいは2本(人差し指と中指をつけた状態)で背中やおでこを撫でてみましょう。

必ず近づける手をリチャードソンジリスが認識している状態から始めてください。

この段階では突然お腹を触るのは厳禁です。

腹部はリチャードソンジリスのみならず、犬や猫、その他多くの動物が弱点としており、不快感を示す部位です。

まずは背中や顔周辺、横腹などを触るようにし、触られることは怖くない、気持ちのいいことだと覚えさせましょう。

もちろん弾いたり乱暴に扱えば恐怖や不信感しか生みません。

くれぐれも優しく丁寧に触れてください。

気が付けばこちらの動きに合わせて毛づくろいをしてくれる、なんて日もそう遠くありません。

 

もっと触ってみよう

 

 背中や顔などを触られてうっとりするようならば随分慣れてきてくれているのではないでしょうか。

少しずつお腹も触れるようにしておきましょう。

抱っこの際は片方の手でお腹を、もう片方の手でお尻を支えるようにするため、どうしてもお腹周りを触られることへの抵抗感を少なくしておく必要があります。

餌やおやつ無しでも抵抗なく手を受け入れてくれるようならば、両手で体の両脇を包むようにしてほんの少し持ち上げ、抱っこの予行演習をしてみましょう。

リチャードソンジリスからしてみれば他者の力によって宙に浮いている状態です。

普段ではあり得ない状態なので驚く子もいるでしょうが、毎日少しの時間でも練習してみてください。少しずつ浮かせる高さを増やしてみてもいいでしょう。

※ただし、リチャードソンジリスは樹上性のリスとは違い、高いところから飛び降りることなどは苦手な生き物です。リチャードソンジリスの体1つ分、など、ほどほどの高さに留めましょう。事故に繋がります。

 

ケージから出してみよう

抱っこをするとなると必然的にケージの外へ出す形となります。

前段階で持ち上げられるようになっていればスムーズに連れ出せるでしょう。

ケージから出す際にはなるべく飼い主の手によって出すようにしましょう。

自分の力で出れると覚えさせてしまうとひたすら扉を噛んだり引っ掻いたりするようになります。

また、ケージから出した際はコード類など噛まれないように気を付けましょう。

 

オススメはペットサークルなどを利用して行動範囲を制限することです。

リチャードソンジリスにとってケージの外は改めて新しい環境となります。

初めてお迎えした時同様、なるべく触らずに環境の変化に慣れるよう見守りましょう。追いかけるような行為を最初からすると人に対して恐怖心を抱くようになります。

なるべくリチャードソンジリスの方から興味を持って近づいて来た時にそっと触れるなど、慎重な対応が必要です。

なにせケージの外に出た時は今までは"手"と認識していたものが"人"となるわけですから、彼らの中でその2つが結びつくようになるまで気長に待ちましょう。

注意点として・・・

膝の上など、衣類の近くで遊ばせる場合の注意点として、巣材として衣類を持ち帰ろうとすることがあります。彼らの歯や爪で穴が空くことも多いため、そうなっても構わない格好で触れる方が賢明でしょう。

狭い隙間なども好んで潜り込もうとします。事前に隙間に入り込めないようにしておいた方がいいのですが、万が一入り込んでしまった場合は無理に引き出さず、好物でおびき寄せるなどの工夫が必要です。

 

抱っこをしてみよう

 

これらを繰り返すことで、手だけでなく、人の存在に慣れてきたら抱っこの練習をしましょう。

こちらもなるべくならばペットサークルなどで仕切られた環境内で行うのが望ましいです。

必ず人は座った状態で行いましょう。

立った状態で暴れられて落とすとケガをさせてしまったり事故に繋がります。

また、最初は暴れることが多いため、なるべくならば暴れる前に解放してあげて、少しずつだっこをしている時間を延ばすようにしてください。

抱っこをしながら撫でてあげたり、おやつをあげるなどして、抱っこをされている状態はいいことが起こる、と覚えさせるといいでしょう。

 

懐かせ方まとめ

 

以上で抱っこまでを段階的に解説してみました。

個体差によるものがなによりも大きいため、根気よく続けてみましょう。

中には抱っこをどうしても嫌がる子もいます。

それでも抱っこの段階に至るまで、お迎え当初よりもぐっと距離は縮まっているはずです。

無理をせず、それも個性だと割り切れる気持ちも必要でしょう。

 

以上、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

 

  

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